コラム

2016.07.26更新

従 業員が会社の業務中に第三者に損害を与えた場合、例えば会社の貨物自動車を運転中に事故を起こした場合、第三者に損害賠償をした会社は、従業員に対し、求 償することができる(民法715条3項)。これは本来の責任がその従業員にあることからすれば、至極当然ということになります。

しかし使 用者である会社は、従業員を危険な業務に従事させ利益を得ているにもかかわらず、その過程で生じる損害をすべて従業員に負担させることは不公平であり、会 社は業務上定型的に予想される危険については、保険制度を利用するなどして損失を分散させることができることなどから、判例は使用者の求償権を制限しよう としている。

会社が運転の初心者に、その担当職務でないのに臨時に会社の自動車の運転を命じ、その結果事故が発生した場合、会社の損失をカバーするのに任意保険に加入していなかった状況の下で、従業員に対する会社の求償権を否定した判例があります(東京地裁判決昭和46年9月7日)。

ま たタンクローリーを運転中物損事故を起こした事案で、会社が経費節減のため対物賠償保険にも車両保険も加入していなかったこと、従業員がタンクローリーに は特命により臨時的に乗務するに過ぎなかったこと、従業員の勤務成績が普通以上であったことなどから、求償しうる範囲は損害の4分の1を限度とするとされ ました(最高裁判決昭和51年7月8日)。

判例は、会社の従業員への求償権の行使の可否と程度については会社の規模、施設状況、従業員の 業務の内容、労働条件、勤務態度と成績、従業員に対する会社の安全指導、車両整備の状況、保険加入によるリスク管理の有無と程度、従業員の過失の内容、同 情すべき事情の有無などを判断材料として、損害の公平な分担という見地から具体的妥当な結論を出そうとしています。

*三重県の情報サイト「とうけい」に掲載された記事です。

投稿者: 小山晃法律事務所

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