コラム

2016.07.26更新

1、制度の意義
平成10年1月に施行された現行民事訴訟法により創設された新しい制度です。
比較的少額な金銭請求事件を、その価額に見合った少ない経済的負担(費用)と時間で済むように、簡易迅速な訴訟手続で解決することを目的としています。
平成16年4月には、対象となる事件の訴額が30万円以下から60万円以下に拡大されたことから、さらに利用が拡大しています。
法律に詳しくない一般市民の利用が予定されており、本人訴訟を前提として創設された手続といえます。

2、手続きの特徴
それは、以下に述べるとおりです。
(1)訴額が60万円以下の金銭の支払い請求事件に限られます(法368Ⅰ)。
(2)審理は1回の期日で完了になります(法370Ⅰ)。
(3)期日前又はその期日にすべて攻撃防衛方法を提出しなければなりません(370Ⅱ)。 
(4)証拠書類や証人は、即時に取り調べられるものに限られます(371)。第1回期日に書類等の原本持参、証人の出頭が必要です。
(5)裁判所は、相当と認めるときは、電話会議装置を利用して証人尋問をすることが出来ます(規226)。
(6)調書には、証人等の陳述の記載をすることを要しません(規227Ⅰ)。
(7)証人等の尋問前に裁判官の命令、当事者の申し出があるときは、裁判所書記官は当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人等の陳述を記録し、当事者の申し出がある場合には、録音テープの複製を許さなければなりません(規227Ⅱ)。
(8)判決の言い渡しは、原則として口頭弁論終結後直ちにするものとし(即日判決)、いわゆる調書判決の規定を準用しています(374)。
(9)支払猶予や分割払の判決も可能です(375)。
(10)判決に対する不服申立は、異議申立に限られ、控訴は出来ません(377、378)。
(11)通常の手続への移行があります(373)。
(12)同一裁判所に対する利用回数に制限がある(1年間10回まで。規223)。
(13)公示送達事件は利用できません(373Ⅲ③)。
(14) 反訴は禁止されます(377)。被告が同じ手続きの中で自分の損害賠償の請求をしようと思えば、通常訴訟への移行が必要です。なお、相殺の抗弁として、請 求を持ち出すことは可能ですが、不法行為債権を受動債権とする相殺は禁止されていますので(民法509条)、たとえ同一の事故のものであっても、相殺はで きません。

3、交通事故訴訟への利用
ほとんど事実関係に争いのない単純な交通事故の事案には、利用可能で しょうが、事故の態様や因果関係、損害額等に争いがある事案には、利用することはできません。

4、少額訴訟の審理手続き
最大の特徴としてあげられるのは、弁論(主張)と証拠調べ(当事者 本人尋問)との一体化です。
少 額訴訟は、本人訴訟を前提として創設された手続であり、利用するのは法律に詳しくない一般市民ですので、通常の民事訴訟のように主張も証明も当事者の責任 においてなされ、それが出来ない当事者は敗訴するというような厳格な弁論主義では、当事者の納得のいく裁判の実現が目指せなくなっています。
その ため少額訴訟手続では、弁論も証拠調べも一体のものとして行われ、証拠調べの結果、それまでに主張されていない事実が判明した場合等に、裁判所が後見的な 役割を持って、適切な釈明権を行使することで、適切で納得のいく訴訟運営をしていくことが出来るように運用されています。

投稿者: 小山晃法律事務所

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